『ガリヴァー旅行記』の英語を読む(2回目オンデマンド配信)
講師
阿部公彦先生(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
概要
この授業では18世紀に活躍した文筆家ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』の読み所をやさしく解説します。この作品を絵本や翻訳でファンタジーとして読んだ人も多いと思いますが、オリジナルの作品はいったいどんな英語で書かれていたでしょう。原文の抜粋を実際に見ながら、文章の書き方に非常にこだわった人として知られたスウィフトのスタイルを一緒にたしかめてみましょう。
『ガリヴァー旅行記』はほかにも話題がたっぷりです。作品は四つの舞台から構成され、小さい人の国、巨人の国、空飛ぶ島の国、馬が人間を支配する国というふうに奇想天外な設定になっていますが、実はこれらは単なる空想ではなく、当時の現実とも密接にかかわっていました。当時流行していた旅行記からの影響もありますし、最先端の科学の知も取り入れられています。今に至るまでつづくといわれる科学と人文学の間の言語観の対立なども見え隠れします。こうした要素にも触れることで、『ガリヴァー旅行記』の奥行きを感じ取っていただければと思います。
プロフィール
講師:阿部公彦先生
東京大学大学院人文社会系研究科教授。
1966年神奈川県生まれ。東京大学文学部卒。同修士課程修了の後、ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授を経て、同教授。英米や日本の詩や小説を中心に、「メランコリー」「退屈」「即興」「事務能力」「胃弱」といった観点から研究を進めている。著書に『英詩のわかり方』『小説的思考のススメ』『文学を〈凝視する〉』『幼さという戦略』『英文学教授が教えたがる名作の英語』『病んだ言葉 癒す言葉 生きる言葉』など。
参考文献
『英文学教授が教えたがる 名作の英語』(文藝春秋、2021年)
・平井正穂訳『ガリヴァー旅行記』(岩波文庫、1980年)
・柴田元幸訳『ガリバー旅行記』(朝日新聞出版、2022年)
・Jonathan Swift. Gulliver’s Travels, Ed.by Claude Rawson and Ian Higgins. Oxford U.P., 2008
ISBN: 9780199536849 *手軽で定評のあるペーパーバック版です。
✳︎ネット上にもProject Gutenbergのものなど、無料版のテクストがあります。 https://www.gutenberg.org/files/829/829-h/829-h.htm
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