<民族>再考―現代世界を読み解き直す窓として―
講師
綾部 真雄 先生 (東京都立大学大学院人文科学研究科 教授)
概要
「民族とは何か」という問いに、日本の研究者は未だにな明確な答えを出せていない。それは、日本語としての<民族>が安易な定義を拒む厄介な概念であると同時に、この言葉自体が政治化してしまっているからである。一方、そうした学者たちの思案をよそに、民族にまつわる報道が連日世界のメディアをにぎわせてもいる。ウクライナ情勢、パレスチナ問題、カタルーニャ独立運動、アマゾンの先住民族居住区における乱開発などもすべて、民族的アイデンティティの多様な形成過程や異なる民族間の複雑な関係に端を発するものだと言える。本講義では、このタイミングを捉え、現代世界を読み解き直す窓としての<民族>についてじっくりと考えてみたい。
プロフィール
綾部 真雄 先生 (東京都立大学大学院人文科学研究科 教授)
東京都立大学人文社会学部教授。博士(社会人類学)。筑波大学第二学群比較文化学類(学部)、東京都立大学社会科学研究科(大学院)、タイ国チェンマイ大学社会学部特別研究員、成蹊大学准教授などを経て、現在、東京都立大学人文社会学部人間社会学科社会人類学分野教授。文化(社会)人類学、エスニック・セキュリティ研究、少数民族研究などを専門とし、30年以上にわたってタイの山地民における文化復興運動に深く関わっている。
参考文献
◆「第4章 フィールドからみえてくる民族と文化のあり方とは」『フィールドから地球を学ぶ―地理授業のための60のエピソード』(綾部ほか編)、古今書院、2023年。
◆「同時代のエスニシティ」『詳論 文化人類学』(綾部・桑山編)、ミネルヴァ書房、2018年
◆「アイデンティティ」『私と世界—6つのテーマと12の視点—』(綾部編)、メディア総合研究所、2011年。
◆「民族とエスニシティ」『よくわかる文化人類学』(綾部・桑山編)、ミネルヴァ書房、2010年。
チラシ