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過去のセミナー・フォーラム 2025年11月14日(金)

ツキノワグマやニホンジカなどの野生動物はどこからやってきてどこで暮らしているのか?~DNAから野生動物の生態や生物多様性を観る~

講師

西堀 正英 先生(広島大学大学院統合生命科学研究科 教授)

概要

ツキノワグマの目撃情報がニュースで報道され,里山のみならず街中の畑までニホンジカがやって来るようになり,人身事故や農作物被害が急増し,人と動物の在り方をよく考える必要がでてきました。そのためにはその対象,つまりツキノワグマやニホンジカのことを「よく知る」必要があります。それら動物自体のことは動物園や自然史博物館に行けば学べますが,それら動物の「生きざま」は動物が棲むフィールドに出向いて,さらには会って観察する必要があります。しかしながらそれには時間とコストがかかるのみならず危険も伴います。そこでそれら野生動物の生息や生態,あるいは多様性などを生物が持つDNA情報から観察し,それを基にともに考えてみましょう。

プロフィール

1962年滋賀県長浜市生まれ,近くに琵琶湖水鳥センター/湖北野鳥センターがあり鮒ずしを食べて育ち,小学校の国語の教科書で「三島池のマガモ」で野鳥に親しむ。滋賀県立虎姫高等学校,広島大学生物生産学部,大学院生物圏科学研究科に進学し,鳥類や哺乳類のゲノム,遺伝子研究から「ミトコンドリアゲノムによるキジ目の分子系統学研究」で博士(農学)を取得する。1991年に広島大学大学院生物圏科学研究科・助手,助教授,准教授を経て,2020年より大学院統合生命科学研究科・教授となる。1996年以降,東南アジアの在来家畜とその野生原種について家畜化と世界各地への移動・拡散についてDNAを使って分子系統遺伝学的に研究を進め,ニワトリ,ブタ,ラクダ,ヤクやサイガなどを対象に研究を展開する。2020年以降,空気中のDNA(環境DNA)を集め,野生動物および鳥類の生息モニタリングおよび生態学的な研究への展開し,環境DNAを使ってツキノワグマ生息モニタリングおよび住民票登録プロジェクト,広島県絶滅危惧種ニホンリス(ニホンモモンガ,ヤマネ)の生息モニタリング,東広島市と鳥獣害に対するCommon Projectを実施する傍ら,DNAをツールに研究室の学生と共に研究活動を行う。

参考文献

・増田和志・畑瀬淳・野田亜矢子・西堀正英(2025)糞DNAからツキノワグマの行動を知る.DNA多型.33(1):6-9.

・増田和志・廣瀬雅惠・安江博・西堀正英(2024)空気中の環境DNA(eDNAir)のDNA多型から野生動物の生息および野生動物相をモニタリングする.32(1):41-44.

・小池伸介(2023) ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら ツキノワグマ研究者のウンコ採集フン闘記.辰己出版. 東京.

・西堀正英(2022)大気中の環境DNAを基にツキノワグマの分布,生息をモニタリングする.広島市安佐動物公園「すづくり」,51(3):10-11.

・小池伸介(2020)ツキノワグマのすべて:森と生きる.文一総合出版.東京.

ポスター